導入の意義

WordPressのプラグインソフトによる「宿泊予約システム」は、宿泊施設の経営者に十分なコストパフォーマンスをもたらしてくれるのでしょうか?

本節は、WordPressや「MTS Acc Booking2 宿泊予約システム」の紹介を通して、システム導入を検討する皆様へ判断材料を提供して参ります。

ポータルサイトか独自サイトか

今やホームページを利用して、施設情報をインターネットへ公開する事は普通になりました。さらに宿泊施設では、施設情報を公開する一方的なものから、インターネットを利用して予約を受け付ける双方向な利用へ、と進められているかと思います。

ところでインターネットを利用して予約を取る方法は、大きく2つあります。1つは「じゃらんnet」や「楽天トラベル」といったポータルサイトを利用する方法、もう1つは独自のホームページを利用して予約を取る方法です。

インターネット接続はスマホ利用者が圧倒的に多く、また多くがSNSを利用しているので、ポータルサイトの検索で上位にランキングされるようになれば、多くの宿泊客を迎える事ができそうです。

一方特色のある施設や運営を目指す場合、独自のサイトを用意して予約機能を含めて、特色のあるホームページ作りが可能になります。旅行先や宿泊先をじっくり選択する人であれば、あなたのホームページを隅から隅まで眺め、納得してから予約する事でしょう。

労力を考えるとポータルサイト利用は圧倒的にお手軽のように思われます。が、毎月の支払を考えると独自サイト運用は出金を遙かに抑える事ができるでしょう。

外部か内部か

予約機能をホームページに組み込む場合、システム会社により専用サーバーで動作・提供される予約機能を外部利用するか、自身のホームページがあるサーバーに予約システムを組み込むか、どちらかを選択する事になります。

外部機能を利用する場合、機能を提供する会社へ通常は使用料を毎月支払う事になります。一方弊社の予約システムであれば、プログラムはGPLライセンスで提供しておりますのでダウンロード料金(1回のみ)は必要ですが、プログラムの使用料は発生しません。

それぞれメリット・デメリットがありますので、サイトの運用方法、予約システムの機能などを比較して選択する事になります。

ホームページの制作

WordPressを利用する理由の1つは、WordPress本来の「ブログ」機能を活用する事にあります。

例えばホームページ上に満開になった桜並木の写真をアップしました。その写真は2年後であれば2年前の写真、3年後であれば3年前の写真となります。しかしブログを利用すれば、毎年ブログに写真をアップする事ができます。自身の想いを文章で入力すれば、その想いを目にした人へ伝える事ができます。

ホームページは、専門知識の豊富なホームページ制作会社に依頼する事になります。このとき、依頼先がWordPressの知識や経験がない(少ない)場合、WordPressを活用できず仕舞いとなる可能性がありますので予め留意して下さい。

宿泊料金の計算

本システムの作り込みに一番苦労した機能です。宿泊施設は都会や観光地など立地が異なる事や、ビジネスホテル・旅館・ペンション・民宿・ゲストハウス・山小屋など様々な施設があり、料金の設定方法も多種多様です。

本システムはより多くの宿泊予約で利用いただけるように、料金計算に関していくつかの設定方法を用意しました。以下は料金設定の概要です。

シーズン・プラン・客室

  • 料金は「宿泊プラン」に設定します。予約は「客室」データと「宿泊プラン」データの対で指定するようになります。
  • 「宿泊プラン」には1つの「シーズン」を設定します。「シーズン」は「スケジューラ」によりカレンダー日付へスケジューリングします。

これによりハイシーズンやオフシーズン、あるいは平日や祝祭日といった期間に依存する料金について、各プランにシーズンと料金を設定する事で異なる料金を扱う事ができるようになります。

料金表

料金計算は宿泊者により異なる金額を設定する場合があります。例えば大人料金や子供料金やペット料金などです。また宿泊人数により割引き(割増し)をする事もあります。

これを実現するため、宿泊プランに設定する料金は「料金表」に金額を設定するようにしました。

  • 「横」に1人・2人・…・6人までの人数
  • 「縦」に大人・子供などの宿泊対象者

のマトリックスへ金額を設定します。もし料金計算が「宿泊人数×単価」であれば、「計算方法」を「乗算」に設定し、表の「1人」の欄に金額を設定するだけとなります。

オプション

客室とプランを選択して予約フォームへ移動すると、宿泊人数の入力になります。「宿泊プラン」へは、このとき「数量」を入力する「オプション入力」項目を追加する事ができます。

例えば「素泊まり」と「朝食付き」で料金を分ける場合、オプション入力項目に「朝食付き、1000円」のデータを設定すれば、「入力数×1000円」の料金が追加されます。

オプション入力項目は注文数を受け付けたい場合に利用でき、料金を設定しなければ宿泊料金へは追加されません。あるいは注文数に限らず一律金額として取り扱う事も可能です。

なおオプション入力項目の設定数に制限はありません。

予約フォーム

予約は「宿泊日・客室・プラン」を選択して予約者の情報を入力後、フォーム送信する事で実行されます。

それでは続けて2泊目を予約したい場合、あるいは一緒に旅行する家族のための客室を予約したい場合、それぞれどのように操作するのでしょうか?

本システムはそれらの操作を実現するため、「セッション管理」機能を装備しました。

操作方法は、ショッピングサイトで買い物をするようなイメージです。「宿泊日・客室・プラン」を1件ずつ予約フォーム(カートと同等です)へ登録して行きます。

この機能により、「毎週末だけ宿泊」するような予約も受け付ける事が可能となります。

予約の変更とキャンセル

予約の変更は、宿泊人数やオプションの入力数の変更ができます。が、宿泊日・客室・プランの変更はできません。

キャンセルは、予約した内容を全てキャンセルします。予約した中から特定の予約だけをキャンセルする事はできません。

これはできる限り先取りの操作をされにくくするため、そのような実装としました。管理画面からは自由に変更できます。

予約データのCSV出力機能

管理画面の予約一覧表示において、日付を指定して検索した予約データをCSVファイルに変換して出力(ダウンロード)する事ができます。

Excelなど表計算アプリを利用してスタッフに渡す指示表を作成したり、あるいはリネンなど客室管理を別途用意していただく事が可能です。

会員管理

会員管理機能はありません。今後の対応は未定ですが、検討は進めて参ります。

多言語対応

宿泊施設にとってインバウンドの取り込みは、売上げに大きな影響を持つようになりました。

本システムはサイト構築者が言語別のデータを用意する事で、各言語別で予約を受け付ける事ができるようになります。

言語別のデータは本システムがフロントエンドへ出力する「予約カレンダー」、「予約フォーム」、「予約メール」などで利用されます。

ただし、日付の表し方など習慣上の詳細な対応はできない場合があります。また通貨についても「円」のみの取り扱いとなります。

決済について

クレジットカードによる支払を受け付けるなど、専用の決済機能はありません。

ただし現在(2017/7)、イーティーネット株式会社様から提供される「ネットショップ管理プラグイン」を利用して、クレジットカード決済を受け付ける事ができます。

「ネットショップ管理プラグイン」は、利用可能な決済代行会社に関してぞれぞれ対応するプログラムが提供されています。

こちらでは「PAY.JP」のクレジットカード決済のみ動作を確認しております。それ以外は確認しておりませんので、今後確認する機会を得れば情報を提供するようにいたします。

なお「ネットショップ管理プラグイン」の機能を利用するため、そのためのプログラムを作成、用意する必要がありますのでご留意下さい。

カスタマイズについて

弊社では個別サイトに関わる内容のカスタマイズは、作業時間が取れないため現在承っておりません。

ただし、機能が本システムを利用する多くの方に有益であると判断した場合、低コストで承りますので、内容を吟味してご相談下さい。

料金とライセンスについて

本システムのダウンロード料金は、以下のサイトの「見積注文」メニューからフォーム送信ページへ移動してご請求下さい。折り返しお見積もりのPDFファイルをメールに添付して返信いたします(PDFファイルが正常に表示されない場合はChromeなどブラウザを利用して表示できます)。

https://app.mt-systems.jp

複数サイトでのご利用を希望される場合、本システムはGPLライセンスでのご提供となりますので、コピーしてご利用下さい。別途料金は発生いたしません。月々の使用料などもございません。

 

 

空き室を利用した「民泊」が拡大する中、宿泊客を多く迎え、利益率を上げるための戦略、戦術は待ったなしの状況です。

システムを利用しての人件費の低減やコスト削減に、本システムをご検討いただければ幸いです。